最後の恋愛Ⅱ
観覧車の頂上で・・・・

ふいに、その妄想が思い出されて

私は、また血迷ったことを口走っていた。

「・・・観覧車、に・・・乗りたい。」

・・・

沈黙。

そりゃそうだ。

どう考えても、今のタイミングで言う言葉じゃないもんね。

けど、もう引けない。

引くに引けない。

っていうか、もう仕方ない。

女子力の爆発だ。

これまで言ったことないことを、今日は、とことん言ってやる~~~!

「観覧車、に、乗るの。」

顔を上げて、大麦を見つめる。

大麦は、くすっと笑って答えた。

「分かった。じゃあ、乗りに行こう。」

「ええ?ちょっと、隼人さんっ。」

「ここで待ってて。」

「イヤよ、私も一緒に行く!」

如月さんが吼えている声を聞きながら、私は立ち上がり、大麦の腕をぎゅっと掴んだ。
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