最後の恋愛Ⅱ
そして、何も言わないままその顔を見つめる。

分かってるはず。

本当は、私の返事が何なのか。

どう言うのかって―。

私だって素直に・・・は、なりたいと思ってる。

けど、大麦が、言ってくれないから―。。。

好きだって、愛してるって、言ってくれたら―、「私も」って、言えるのに・・・。

大麦は、その一言を今日は、一回も言ってくれないから・・・。

「そんなに急がなくても大丈夫だと思うぞ?」

腕を引張って、どんどん歩く私に言う。

・・・

分かってる。

けど、早くって・・・焦ってる、私・・・。

「ちょっとぉ、隼人さんっ、そんなのどうでもいいから、先にさっきの返事してよぉっ!」

「如月さんは黙ってて!」

思わず噛み付くように言って振り返った。

「はぁ?ちょっと、さっきから何なのよ、キャラ違くない?」

分かってるってば!

そんなの、もうどうだっていい。

可愛くない自分を演じる気はないんだから―。
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