最後の恋愛Ⅱ
「この前ので、言っただろ、騙して悪かったって思ったのは事実だけど、もうやめるって。あれは、ぐいぐい攻めるのをやめるってこと。大和を手に入れるのを諦めたりするわけないだろ。」

けど、思ったよりも効果あって驚いた。

大麦は、そう続けると、私をぎゅっと抱きしめた。

「今日の大和、可愛すぎてキュン死にするかと思った。」

・・・

何てことだ。

つまり・・・

つまり、私は・・・

「また、騙したってこと・・?」

大麦は、こくりと頷いた。

「ごめんな?」

「ご、っめんじゃないわよ!」

酷いっ

今日も含め、ここ数日の恥ずかしいぐらいの凹んだ気持ちと、ブレたキャラが、思い出されて死にたくなるんですけど!

「くす、大和、真っ赤。」

「笑わないでよ!大体、呼び方を森さんに戻したり、電話もしてこないし、メールもしないし、全部、手のひら返し具合があからさまで酷すぎるっての!」

大麦の腕の中で私は唇を尖らせた。

「いや、俺としても大和の気持ちを確かめたかったから―。」

何ぃぃぃぃいいいい!!
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