擬装カップル~私は身代わり彼女~
恐る恐るに振り替えると5人の女子が、私の机を取り囲んでいる。

樹くんのファンの子達だ!

「何でアンタが樹くんのネクタイしてるのよ!」

「中庭で、お弁当食べてたでしょ?
どうゆう事!?」

「何で放課後に会う約束してるわけ!?」

威圧的に見下ろされ、矢継ぎ早に質問攻めされる。

あわあわしていると、後ろの席の真白が立ち上がる。

「樹くんと風香は付き合ってるんです!
ね、風香」

真白の言葉に、ファンの子達が一瞬黙ってから絶叫した。

「えーーーーー!!」

「何で、何でアンタが樹くんと付き合えるのよ!」

「私たちじゃダメで、何でアンタなんかが付き合えるのよ!」

「…それは…」

「アンタなんかって何?」

真白が食って掛かる。
真白は色白で華奢で、黒髪姫カットの美少女なのに、正義感が強くて、実は気が強い。

「だって、おかしいじゃない!あの樹くんの彼女が、こんな平凡な子なんて」

「風香は可愛いわよ!アンタ達みたいに性格が顔に出てるのと違って」

「何ですって!?」

「何よ!?」

私の頭上で、ファンの子達と真白が喧嘩を始める。

「ちょ、やっやめ、やめて」


「何してるんだー。授業始めるぞ!」

先生が教室に入って来て、ファンの子達が散り散りになる。

「樹くんは、絶っっ対渡さないんだから!」

ツインテールの女の子が去り際に、私を睨み付ける。
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