新婚の定義──嘘つきな君と僕──
「ユウ、本当にさっきの子と結婚したの?」

「あぁ、うん。そうだよ。」

「なんで?」

「なんでって…。」

ケイトの唐突な質問にユウは驚き、顔を真っ赤にした。

(そんなの、好きだからに決まってる…。)

「結婚するほど好きだったの?」

「そりゃまぁ…そうでなかったら結婚なんかしないよ。」

「ふぅん…。」

「ユウは彼女のことが、好きで好きでしょうがないんだよ。」

トモがバーボンを飲みながら笑う。

「ユウと奥さん、幼なじみなんだ。」

ハヤテがナッツを指でつまみながら、ケイトの方を見る。

「幼なじみ?」

「うん。」

「ガキの頃から、ずっと好きだったんだと。」

リュウがそう言うと、ケイトが眉を寄せる。

「ずっと?そうなの、ユウ?」

「あぁ…うん。」

「そんなの聞いたことない。」

「ロンドンに行く前まではずっと一緒にいたけど…ロンドンにいる間は、1度も会ったり連絡取ったりしてなかったから。」

「じゃあどうして、あの子と結婚したの?」

(ケイト、随分食い下がるな…。)
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