新婚の定義──嘘つきな君と僕──
「ずっとこうしてたいな…。」

「うん…。」

ユウの腕に抱かれながら、今ここにいる自分だけの知っているユウが、本当のユウであって欲しいとレナは思う。

「ユウ…。」

「ん?」

「キス、して…。」

「うん…。」

ユウは優しくついばむように、レナの唇に何度もキスをした。

「もっと…して…。」

「うん…。」

長い長いキスの後、ユウはレナをギュッと抱きしめ、吐息混じりに囁く。

「もっと…レナを感じてもいい?」

「うん…。」

ユウはレナを抱き上げ、ベッドへ運ぶ。

レナを優しくベッドへ寝かせ、ユウはシャツを脱ぎ捨てると、レナに覆い被さるようにしてレナを見つめた。

「レナ、愛してる。」

「ユウ…もう、どこにも行かないでね…。」

「行かないよ…。ずっとそばにいる。」

「うん…。ユウ…愛してる…。」

ユウの頬にそっと触れると、レナはユウの唇に口付けた。

ユウはレナの体に優しく触れながら、何度も何度もキスを繰り返す。

(もう…私以外の人を抱いたりしないで…。)

レナはユウに抱かれながら、祈るように目を閉じて涙を浮かべた。


その夜、胸をかき乱す不安を消し去ろうと、レナは何度もユウを求めた。

(ずっと…私だけのユウでいて…。)


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