自惚れ男子の取説書【完】
宣言通りケーキやタルトに舌鼓をうち始めて30分。平日の為かお客さんもさほど多くなく、ゆったりとしたペースで楽しんでいた。
ふうっとコーヒーで休憩していると
「少しは落ち着いた?」
頬杖をついた美沙が穏やかな顔で私の様子を伺っていた。
「ん。落ち着いた、ありがと」
美沙なりに励まそうとしてくれたんだろう。親友の優しさに気づいていたから素直にお礼を言った。
私が本当に凹んだ時、美沙は決して無理強いしない。
普段は強引な所があるけど、いざという時にはこうして私を気遣ってくれる。美沙の優しさにふんわりと心が温まり、自然と口角があがる。
今なら話せそうな気がする。
自分の気持ちとも向き合えそうな気がして、奥底に沈めていた淀んだ感情をゆっくりと掘り起こした。