自惚れ男子の取説書【完】
「琴美は、その美月さんが小田さんの元カノだとか思ってるわけ?そりゃあんだけイケメンなら何人もいるでしょ」
黙って話を聞いていた美沙は、なんだ…と一気に脱力したように話し出す。
「とにかく小田さんにとって特別な人って事は確かだと思う。彼女の頼みで嫌々でも病院来てたみたいだし」
確かにあのときの小田さんは美月さんに冷たかった。でもそれは、ただあの場に居たくなかっただけ…そんな気がする。
気まずく別れて以来、小田さんとは会っていない。
小田さんのマンション前を通る時、自然と歩みを緩めるけど彼が出てくる事はなくて。黒いスポーツカーもあったりなかったりで、その主を乗せた所は見れず仕舞いだ。
結局、小田さんのメールにも返信出来ないままだった。