自惚れ男子の取説書【完】

きょん、と不意をつかれたように小田さんがかたまる。

「…意外」

「…ですよね。よく言われます。飲めないからって断っても信じてもらえないぐらいですし」

ははっと笑いながら少し悲しくなる。

割とさっぱりした性格からなのか〝酒豪”だとよく誤解される。ところがイメージとは当てにならないもので、私は大してお酒が飲めない。この間の合コンも、仕事を理由に甘いカクテルだけにしていた位だ。

知らない人にお酒を断ると、嘘だと思われて余計ぐいぐい来られるんだから失礼な話。これが美沙やりっちゃんみたく可愛い子だとすんなり受け入れられるんだから、やりきれないこともしょっちゅう。そんな扱いにも慣れてしまった。

まぁ飲めない分、食事を楽しむようにしてるんだけど。

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