自惚れ男子の取説書【完】


「ふーん…つまんねぇな」


つまらないって…
私があんまりお酒飲めないってことが…?私といることが…?

さらりと受け流してくれるかと思えば、思わぬ言葉に瞬時に固まる。いつもの私ならカチンと来るはずなのに、彼からの他愛ない一言で簡単に視界が歪みそうになる。


「周りばっかり飲んでて、お前つまんなくなったりしねぇの?酔っ払いのテンションに合わせるのもめんどくせぇだろうし、楽しくねぇだろ」

今度は私が目を丸くする番だった。


「え…あ。いや少しは飲めますし…無理やり飲まされたりしなければ楽しいですよ」

「……ふーん。んじゃ俺ワイン飲むぞ?」

「どーぞどーぞ!今日は私がご馳走する日ですからっ!好きなの飲んでください」


一瞬でも小田さんという人を疑った自分が恥ずかしい。
あっさり受け入れ信じてくれた。その上私に合わせようとしてくれた小田さんの優しさに、顔が思わずほころぶ。

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