自惚れ男子の取説書【完】
小田さんの家で小田さんの服を着て、小田さんと朝食をとる。
無理だ、もう無理!これ以上、心臓がもつ気がしない。
気がおかしくなってしまう前に、一刻も早く帰りたい。そんな気持ちから適当な断り方をしてしまったのがバレたんだろう。小田さんは片肘をつくと、面白くなさそうな顔で私の様子を伺う。
「俺1人で食って何かあったらどうすんだよ」
「何か…ってなんです。味見くらいしましたよ」
「いいからお前も食え。多めに作ったんだろ?」
それは小田さんが言ったからでしょうが……という言葉は、小田さんの一睨みに飲み込まざるをえなかった。
結局おずおずとお椀を取りだし、軽く自分の分をよそうと小田さんの向かいの席に腰をおろした。