自惚れ男子の取説書【完】
ゆっくり食べ進める私をよそに、ぺろりと平らげた小田さんはおかわりしているようだった。というのも、意識しないよう小田さんを見ないようにしてたから、定かではない。
ひとまず味は悪くなかったんだろうと安堵すると共に、私の食欲も回復。控えめによそったお椀はどうにか空になった。
「ごっそさん」
パンっと勢いよく手を合わせると、拝むように小田さんは言った。
「お粗末さまです」
「ん。お前も食ったか」
はい、と返事を聞く前に空のお椀を確認すると、小田さんはさっさと回収しキッチンへと消えてしまった。
「えっ…あ、小田さん?」
慌てて後を追うと、小田さんは慣れた手つきで洗い物を始めていた。