自惚れ男子の取説書【完】
「もう、早く開けなさいよ」
「あぁ?用事なら電話で良いだろ電話で。今無理」
「無理って何が!ふーん良いわよ、開けなくても。ここの解除番号、この間見て覚えてるんだから」
「はぁっ…?お前っ、いつの間に……」
余裕たっぷりに小田さんを翻弄する美月さん。
くすくすっと楽しそうにこぼれる笑い声とは対照的に、私は深く暗い気持ちへと落ちていった。
何で?いつ…何度ここに…?
「あぁ…もう、わかったよ。とりあえずあがってこい」