自惚れ男子の取説書【完】
夕飯どきを少し過ぎたコンビニでは選択肢は少なく、とりあえずサラダとスープを選んだ。冷凍ご飯位はあるから、これで十分だろう。
少し離れて選んでいた先生も、カップ麺やおにぎりをかごに放り込んでいた。『医者の不養生』を絵にかいたようなジャンキーな食事に思わず眉を潜める。
「先生、野菜も食べないと美沙に嫌われますよー」
「はぁ?なんだその理屈は…」
意味が分からん、と口を尖らせながらもしぶしぶ野菜ジュースを1つ放り込む。
ほんと、分かりやすいというか扱いやすいというか…ちょっと可愛いな、と思ったのは内緒にしておこう。
「今後、協力してもらう為の手付金だかんな」
とか何とか言って、結局先生がまとめて支払ってくれた。
そんな事しなくても、名波先生なら協力してあげてもいいかな…って。私の中で名波先生の評価は急上昇だ。