自惚れ男子の取説書【完】

夕飯どきを少し過ぎたコンビニでは選択肢は少なく、とりあえずサラダとスープを選んだ。冷凍ご飯位はあるから、これで十分だろう。

少し離れて選んでいた先生も、カップ麺やおにぎりをかごに放り込んでいた。『医者の不養生』を絵にかいたようなジャンキーな食事に思わず眉を潜める。


「先生、野菜も食べないと美沙に嫌われますよー」

「はぁ?なんだその理屈は…」

意味が分からん、と口を尖らせながらもしぶしぶ野菜ジュースを1つ放り込む。
ほんと、分かりやすいというか扱いやすいというか…ちょっと可愛いな、と思ったのは内緒にしておこう。


「今後、協力してもらう為の手付金だかんな」

とか何とか言って、結局先生がまとめて支払ってくれた。
そんな事しなくても、名波先生なら協力してあげてもいいかな…って。私の中で名波先生の評価は急上昇だ。
< 191 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop