自惚れ男子の取説書【完】

「でしょー?それが婚約者いるとか、あり得ないでしょ!ったく!」

「うーん…石川くんも、まさか相手がいる人を連れてくるとは思えないんだけど」

「あの後、だった可能性もあるじゃない?そこで!律子の出番です、よろしく」


ビシッと指さされるや否や、「任せてー」と携帯電話をささっと操るりっちゃん。

完全に私だけがおいてけぼりで、二人だけでさっさと事が進んでゆく。


「よしっ。あとはのんびり待つだけだよ」

「ありがと。さすが律子、仕事が早いねぇ」


ただただ口をぽかんと開けたまま、二人を交互に見やるだけの私。

仕事って…りっちゃん何やったんだろ。
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