自惚れ男子の取説書【完】
ふと思い浮かんだ由美さんの顔。
通った鼻筋にすらりとモデルのような体型。そう言われてみれば、由美さんと小田さん、雰囲気がよく似ている。
「そんなの聞いてないです…どうしよ……どうしよう、私っ!」
バカだ。私ってば……ほんとっ!
あわあわと1人取り乱し、あからさまに目が泳ぐ。そんな私に虚をつかれたのか、小田さんはただただ目を丸くさせている。
「なんで教えてくれなかったんですか!聞いてない!」
「はぁ?何が、親が離婚してるってことか?お前全部知ってるみたいな言い方してたじゃねぇかよ」
「だって…マンション来てた!だから、そりゃ勘違いするじゃないですか!」
「なにが勘違いだよ。姉貴なんだから来たっておかしくねぇだろ。嫌だって言っても勝手に押し掛けるんだから、仕方…ねぇ……って」
ゆっくりと言葉を切ると
「おい」
ぐっと身体を寄せ、強い眼差しで射抜かれる。