自惚れ男子の取説書【完】
あり得ない。
少なくともさっきの俺の牽制を聞いておきながら、なんてバカな事を言い出すんだこいつは。
だから毎回俺を怒らせて、結果苛められる羽目になっているのに…我が彼女ながらバカさ加減に呆れる。
ったく……いつも下らない事で怒らせやがって。
「だっ……だって、私が結婚したくないのを怒ってるんでしょう?それって……小田さんは結婚したいって…」
そうだ、いつも怒らせて……
俺、こいつになんで怒ってんだ?何に?
「小田さん……顔…赤い、ですよ」
その一言聞き終えるか否かの瞬間うるさい口を塞ぐ。呼吸も忘れその甘い唇を夢中で味わった。
そのまま最後までいってしまいそうなのをどうにかブレーキをかけると、こいつときたら融けきったようにとろんとエロい顔をしていた。
高校生か、俺は…。
本能剥き出しの自分に呆れ思わずふいっと視線をそらした。
「お前……まじ勘弁しろよ。久々会ったと思ったらよ、そういうの直球で聞くか?普通」
「だっ……!だって小田さんが急に怒るからでしょ。小田さんが悪い!」
「あぁはいはい、もうそれでいいや。肝心な事溜め込むくせに、そういう事は聞くのかよ…ったく。だから面倒なんだよお前」
こいつが我慢して溜め込むとろくなことがない。面倒でも吐かせないと後が怖いことは心得たところだ。