自惚れ男子の取説書【完】
いつもより早い時間に出た私は、用事を済ませ夜勤へ向かっているところだった。
小田さんの職場近くの駅、もしかしたらばったり会えたりして…そんな淡い期待はひどい仕打ちで裏切られた。
お気に入りのブランドが入ったファッションビル。小田さんとも何度か来たここはお気に入りで、後ろ髪を引かれるように思わず店内を覗いた。
「……あれ」
その後ろ姿は紛れもなく朝見送ったそれで。隣にはふわふわパーマの女の人。その人の顔は見えなかったけど、小田さんは照れ臭いような甘い顔をしてふたりでショーケースをのぞきこんでいた。
女の人と居るなんて初めてじゃない。
接待で女性と同席したり、営業の打ち合わせでふたりで会ったり。化粧品の営業だから仕方のないことだ。
それでも不安にならなかったのは、「今日打ち合わせした女がさ……」とかさりげなく小田さんが報告していてくれたからだ。
それでなくても小田さんはモテる。これくらいで凹んでいては身が持たないんだけど。
「会議で会社に缶詰めだった」
問い詰めてもいないのに、そんなしょうもない嘘つくから。
小田さんの職場近くの駅、もしかしたらばったり会えたりして…そんな淡い期待はひどい仕打ちで裏切られた。
お気に入りのブランドが入ったファッションビル。小田さんとも何度か来たここはお気に入りで、後ろ髪を引かれるように思わず店内を覗いた。
「……あれ」
その後ろ姿は紛れもなく朝見送ったそれで。隣にはふわふわパーマの女の人。その人の顔は見えなかったけど、小田さんは照れ臭いような甘い顔をしてふたりでショーケースをのぞきこんでいた。
女の人と居るなんて初めてじゃない。
接待で女性と同席したり、営業の打ち合わせでふたりで会ったり。化粧品の営業だから仕方のないことだ。
それでも不安にならなかったのは、「今日打ち合わせした女がさ……」とかさりげなく小田さんが報告していてくれたからだ。
それでなくても小田さんはモテる。これくらいで凹んでいては身が持たないんだけど。
「会議で会社に缶詰めだった」
問い詰めてもいないのに、そんなしょうもない嘘つくから。