自惚れ男子の取説書【完】
「は?」

ふざけんなって呆れた一言……かと思ったんだけど。

「俺、名前で呼んでねぇっけ?」

「はい?」

今度はお互いがぽかんとかたまった。

「いやいや、いつも"おい"とか"お前"とか。昭和の香りぷんぷんですよ」

「はぁ?ふざけんな、絶対名前で呼んでるわ」

心外だって具合に腕を組みふんぞり返る小田さん。
そうは言っても呼ばれた記憶がないんだもの。

「お前こそなぁ」

「ほらまた"お前"って!」

むむむと口を真一文字に結び、ふて腐れたような顔が少し可愛い。

「"琴美"」

その一言の破壊力たるや。全身の熱という熱が顔に集中していく。

「琴美こそ俺のことちゃんと呼べよ」

「ちゃんとって、"小田さん"って」

「"大和"だろ?一生名字で呼ぶつもりかよ」

単なる言葉のあやでもいい。一生傍に居ていいみたいな、そんな甘い言葉に聞こえる私がどうかしてるのか。

「大和……さん」

「ふーん。まぁ合格、な」

そう言って私を引き寄せた大和さんの手は、いつもより何だか熱い。

「ちゃんと…ずっとそう呼べよ」

耳元でそう呟かれると、今までで一番甘い誕生日が始まった。

*END*

なんだかんだ言って、名前呼ばれないのを気にしてたのは大和の方…絶対(笑)
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