自惚れ男子の取説書【完】
嬉しいのと恥ずかしいのが半分ずつ。
私が小田さんを見かけたのはこのアクセサリーブランドのお店。きっとあの時受け取りに行ってたんた。

「小田さん、ごめんなさい」

「あぁ?んだよ、機嫌直ったのかよ」

こくり頷くとキラリと輝くクロスをそっと手に取った。

「まさか見られたとはな。お前変な鼻効くな」

くくっと笑うのは照れ隠し。私の手のひらからクロスを取ると、するりと首へ腕を回した。

「へへっ、予想以上のプレゼントになっちゃいました」

「あぁ?そういやお前、何欲しかったわけ?」

よし、と小田さんが身体を離すと胸元にダイヤが輝いていた。ネックレスより何より、ちゃんと私の話を覚えていてくれた事に頬が緩む。

「えっと、物ではないんですけど」

「ふーん、旅行とか?さすがに海外は無理だぞ」

自分の膝で頬杖をつき面白そうに小首を傾げた。

「いや、そんな大層なものではなくてですね。というかもう頂いたのですが」

気まずさと恥ずかしさで思わずでた敬語。視線を漂わせながら恐る恐る口にした。

「な、名前を」

「名前が?」

「名前で呼んで欲しいんですけど」

ははっ…と渇いた笑いが虚しく響く。
自分で言っておいてなんだけど、中学生かよ!って位青臭い台詞に思えてひたすら恥ずかしい。
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