自惚れ男子の取説書【完】

ふと正面玄関を見ると、まだ明るいからか人の出入り
が多い。きっと外来患者さんや、見舞いの人だろう。



今日は外来混んでそうだな。

この分だと、松山さんの主治医が外来を終え、病棟へ来るのは遅いかもしれない。代わりに報告してもらうよう夜勤に申し送らないと。


頭の中で仕事の算段をつけていると、人混みの中にひょこっと頭ひとつ飛び出ているのを見つけた。

相変わらず艶やかな黒髪をサイドに流し、今日は細身のネイビーのスーツに袖を通している。難易度が高そうなスーツすら着こなしているのは、彼のすらりとしたスタイルがなせる技だと思う。


早足でロータリーを抜けると、こちらへ向かって歩いてきた。

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