自惚れ男子の取説書【完】
いつかのデジャヴに鼓動が速まる。
その場を逃げ出したくなるけれど声を聞きたいのも本当。あぁ、でも今更この格好をみられるのも恥ずかしいし。
あれこれ思いあぐねているうちに、小田さんもこちらに気付きまっすぐ近付いてきていた。
「おう、お疲れ」
とっさに言葉が出てこなくて、ひとまずペコッと会釈した。
「お見舞いですか?」
「あーまぁ…そんなとこ」
時間からして仕事中のはずだ。それを抜けてまで来たのだから緊急なのかもそれない。
そんな事を考えつつぼんやり小田さんを眺めていると、顔だけを上下に動かし頭のてっぺんから足先まで何かを確認するようにじっと見られた。