自惚れ男子の取説書【完】
”美月”と呼ばれた女性は少し潤んだ目で小田さんを見つめながら、ぎゅっと握りしめた小さな拳は小さく震えていた。
「あんなの”顔だした”って言えないでしょ!大和…お願いだから」
この人が誰なのか、一体何が起こっているのか全く状況がつかめない。それでも美月さんの必死な様子に黙っていられなくて…
「ちゃんと…話さなくていいんですか」
美月さんは小田さんの影に隠れていた私にようやく気付いたようで、ふっと力を抜いたのがわかった。
絞りだすような小さな私の声にぴくりと反応する小田さん。