もう一つのダイヤモンド
同じ地域、条件で探していたから、かぶっていた物件もあって、それぞれ1~2軒の内覧をした。

最後の物件の玄関から出ると外はもう暗かった。こんなにも疲れたのは久々だと思いながら、もう夕飯を作る気力もない。

「食べて帰ろう。」

という隼人さんの言葉に頷いて、夕飯を食べて、隼人さんの家へと帰り着く。

仕事とはまた違った体と心の疲労感。

広い部屋へと引っ越しをするというと期待感と、どうしても浮かぶ離れるという事実。


とりあえず、家に持ち帰って、資料を見て、できるなら明日には返事をしてしまいたい。時期が時期だけに、どんどん物件は決まっていくらしい。


物件を見学する中で、私の希望も明確になってきた。
間取りは、1LDK。カウンターキッチンのリビングがベストだけれど、キッチンとダイニングの大きさや形にはこだわらない。
それと寝室があって、お風呂とトイレが別であること。
隼人さんの荷物を入れるため、3月中に借りられること。
病院から、徒歩15分圏内であること。天気のいい日は自転車通勤をすれば5分くらいになるだろう。

駅から病院までが5分程度だから、駅から離れる方向に15分となると、駅からの距離が延びるため、思っていたより予算内の物件はあった。

ただ、隼人さんはオートロックなどの安全面を気にしているようで、そうなると、家賃が上がり、私にはちょっと厳しい。

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