もう一つのダイヤモンド
「寒い。」

思わず声がでる。昼間はだいぶ暖かさを感じるようになり、コートだとちょっと暑いなと思う日もあるが、夜はまだまだ冬で、コートが欠かせない寒さだった。私は隼人さんの1~2歩後ろを歩く。

それでも沈黙で、途方にくれたとき、隼人さんが口を開いた。

「ごめんな、押しつけすぎたかも。一人にすると思うと、どうしても不安になる。香江が選んだ二つは、どっちがいいとかある?」

譲ってくれるのだろうか。

「特にどっちということは…」

「じゃあ、その二つでどっちにするかは俺が選んでもいい?」

「…はい。」

と言ったところでコンビニに着いた。

とりあえずパンを購入。

隼人さんの選んだ物件が気になる。

コンビニを出ると、一時の暖かさに触れた分、余計に寒さを感じる。

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