もう一つのダイヤモンド
いつものように、仕事を終わらせて、薬局で待っていると、今日も師長から呼び出しの電話をもらう。ポケットの中を、確認して、外来へ向かう。今日がラストチャンス。

外来を裏からのぞくと、師長はいなくて、白衣の先生は、笑顔で向かいの椅子を示した。最近は、プライベートの時間を一緒に過ごすことが増えているから、隼人さんではない、澤田先生にちょっと緊張する。

先生がいつものようにレントゲンを示してくれた。

「オペ後1ヶ月の時より、骨の状態が順調によくなっている。」

並べられた以前のレントゲンより、ピンがあった場所が分かりにくくなり、白い色が濃くなっているのが分かる。

「いちお、傷の様子と筋力だけ最後チェックしていい?」

「はい。」

「ベッドに、足延ばして座れる?」

「はい。」

と靴と靴下を手早く脱いでベッドに座った。

先生は、私の動きを見守っている。

ベッドに座って、用意ができましたとばかりに、先生の方を見た私を、しみじみと、そしてからかうように、

「成長したな。」

と頭を撫でてくれた。
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