もう一つのダイヤモンド
外来から出ると、半分以上照明が落ちた廊下に人気はない。

「お腹すいたなぁ。」 

「あっ、すみません。遅くまで。写メとか言い出して。」

「いや、そういうつもりじゃなかったんだけど。」

「先生、夕飯は?」

「あー、コンビニに買いに行くかな。」

「じゃあ、私買ってきます。」

「じゃあ、香江も一緒に食べないか?」

「えっ。」

「どっかの休憩室とかで。」

先生とは一緒にいたいけど…。

「あっ、じゃあ、薬局、もう人いないかもなんで、どうですか?」

ドキドキしながら問いかけると、

「いいね。」

と笑ってくれた。

薬局に、誰もいないことを確認して、先生を振り返る。

「コンビニ、一緒に行こうか?」

「えっ、でも、誰かに見られたら。私行きます。」

日頃のお礼を込めてと、言い切った私に、

「じゃあ、よろしく。」

と先生は、財布からお金を出そうとするから、

「あの、おごります。あっ、おごるってほどじゃないですけど、あのっ…、いつものお礼に。何がいいですか?」

と頑張ると、

「ありがとう。じゃあ、あればお弁当で。なければ、何でもいいよ。」

と笑ってくれた。

先生は、病棟へ顔を出してくると言うから、一旦分かれてコンビニへ向かう。


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