Camp training~誰も救えない~
ガッン!
二瓶が机を軽く蹴り飛ばした。
「おい、水島。こっちが黙ってればいい気になりやがって。
さっきから人を見下すような言葉ばかり並べて。
お前のほうが低俗・低レベルなんじゃねぇの?
学校の先生から。そういう言葉はいけませんって習わなかったのか?」
二瓶が冷やかす。
「やめとけ、勇人。あいつ、なんかいつもと違うぞ。おい。」
二瓶の仲間が止めにかかる。
「素晴らしい、素晴らしいよ。さすが二瓶君の仲間だね。
その止める勇気、とても大事だと思うし人間味あるね。
...ですが、残念なことに二瓶君には罰を与えなきゃいけません。」
「どういうことだよ!?水島!」
二瓶が怒鳴り声を上げ、取り乱す。
「...こういうことですよ。」
水島教師の一言で、後ろのドアが勢いよく開いた。
ガラッ!バンッ!
ドアが開いたとほぼ同時に、黒服の男が
二瓶を蹴り飛ばした。
「ぐっは...!!」
腹を抱え、倒れこむ二瓶。
「キャーーーー!!」悲鳴を上げる女子生徒達。
「はいはい、皆さん落ち着いてください。
何も珍しいことではありませんよ。
先生にたてを突いた罰を与えたまでです。悪い子とした子には罰を与える。
珍しいことではないですよ。」
騒然とした教室。あまりの怖さに震える女子生徒。
呆然と立ち尽くす、男子生徒達。
目の前で起きてる現実が、彼らに精神的な苦痛を与える。
「ええ、それでは長引きましたが。‘強化合宿’というのはですね。
この学校が国から許可を得て、そのためだけに作った合宿所があるんです。
そこへ、このクラスのメンバー全員がいきます。強制参加です。
その施設では、あるゲームをしてもらいます。
そのゲームは、‘あみだくじ’‘かくれんぼ’です。
この二つはただの‘あみだくじ’と‘かくれんぼ’ではありません。
この学校専用のマニュアルにそってゲームをするのです。」