夜人【ヨルヒト】さん

公園

夜の公園のベンチで、トキコはうつむいていた。

止めたバイクに寄りかかり、ユキオミは煙草をくゆらせている。

その足元に、吸殻が散らばっていた。

「……ねえ」

長く続いた沈黙を破ったのは、ユキオミの方だった。

「説明、してもらっていい?」

「…………」

トキコは膝の上に乗せた自分の手を見つめていた。

力が籠もって関節が白くなり、細かく震えている。

手のひらには、じっとりと汗が滲んでいた。
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