ご近所さん的恋事情
「あはは。ここに入りたそうにしていたから入れてあげたよ。店長、新しいお客さんだから、大サービスしてあげなよ」


「もちろんだよ。お姉さん、そこに座って。まず、何飲む?」


瑠璃子は先にカウンター席に座った渉の隣に座る。焼き鳥を食べるのに、お酒は必要不可欠だ。決して広くはない店内をぐるりと見渡した。

壁にアルコールと焼き鳥のメニューが貼ってある。もちろんカウンター席にもスタンド型のメニューが置いてはある。

「生ビールをください」


「はいよー。美佳ちゃん、生1つ、よろしく。渉くんはいつものでいい?」


「うん」


「はーい!」


元気良く返事をしたバイト店員の美佳は、明るいブラウンの髪をダークレッドのシュシュで1つにまとめている。美佳は常連客である渉を気に入っている。

だから、渉が瑠璃子を連れて入ってきたとき、挨拶する表情が凍り付いていた。だが、ただの客と分かり、いつもの表情に戻る。分かりやすい嫉妬である。
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