ご近所さん的恋事情
「あ、お湯を入れてくるね」


渉の手を離して、バスルームへと体を向ける。


「待って」


歩みを進める前に腕を引っ張られた瑠璃子の背中は渉の胸にぶつかる、瑠璃子の心臓は跳ねた。


「渉…くん?」


「シャワーでいい。瑠璃子さん、俺から離れないで」


顔だけを振り向かせた瑠璃子の頬に優しく口付けた。瑠璃子は体も渉の方へ向く。少しでも離れたくない。それは瑠璃子も同じだ。


「渉くん…好き。しっかり抱きしめて」


「うん、離さない。俺も好きだよ」


出会ったときから引かれ合うものがあった。何となくこうなるだろうと予測も出来ていた。不思議なもので、まだ数回しか会っていないのに、違和感なく肌を重ねることが出来る。

渉にしても瑠璃子にしても初めての感覚だった。こういうのを運命の相手というのかもしれない。

重なる唇は離れる気配がない。どんどん深くなっていく。まだ残っている瑠璃子のビールの味と渉の焼酎の味が絡み合う。決して悪くない交わりだ。
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