【短編】甘い香り-修学旅行-
「榊原さんやめてっ!!」

梨華や、のんちゃんは必死に止める。

亮太は、ずっと榊原さんに向かって、止めろっ!!と叫んでいる。
先生達も集まり、みんな必死で榊原さんを止める。

その中で、何も言わず、その光景を一人黙って見てた。

榊原さんは、さっきから、亮太に対しての事ばかりを叫んでいる。

聞き取りにくかった榊原さんの言葉が、あたしの耳にはっきりと届いた。

「安川みたいな女より、あたしの方が絶対良いわ!!」

「亮太があたしを見てくれなきゃ…死ぬわ!!」

「…ねぇ、今すぐ別れてよ!!」

亮太は、そんな榊原さんの言葉に困った顔をしている。

周辺で、‘悠季、別れたフリしたら?’などの声が聞こえる。

あたしは何にも悪くないのに、あたしが榊原さんを自殺行為に追いやったと、コソコソ言われる。

「ねぇ…安川っ!!あんたが死んでよっ!!」

あたしに気付いた榊原さんが、叫んでくる。

「亮太と今すぐ別れてくれなきゃ、ここから飛び降りるわ!!」

その言葉と同時に、あたしの中で何かがプツン…と切れた。
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