元カレ




私が暗い話をしたせいで、少し重い空気が漂った。



「玲奈ちゃん!よかったら、連絡先交換しようよ」


先に沈黙を破った彼は場の空気を変えるように、明るく言った。




「僕でよかったら、相談に乗るから。困った時、いつでも連絡してきてよ」


「……いいの?」


「うん。こんなに弱ってる玲奈ちゃんを、放っておけるわけないじゃん」



私達は特別親しい間柄ってわけではない。

甘えるなんてズルイ、都合が良過ぎるかもしれないけど……。



「ありがとう……」


精神的に弱ってる状態で優しくされたら、つい甘えちゃう……。



私はパーカーのポケットに入れていた携帯を取り出して、村田くんと連絡先を交換した。



< 100 / 230 >

この作品をシェア

pagetop