『僕の思い、君の願い』
 

 僕はやっぱり、彼女に試されていたのだった。


「君、知っていたんだね?」

 僕たちの、3回目の結婚記念日。

「ふふ、当たり前じゃない。
 今年はデートに誘ってくれるのね?」

 満面の笑みを浮かべる彼女だった。

「うん。君の好きなものを食べに行こう。
 …去年は忘れていて、本当にごめんね」


「知らないっ!」

「えぇっ!……もう許してよ?」

「くふふ!」






 それはそれは穏やかな、僕たちの記念日。


 そんな小さな日常までもが、彼女の手にかかると、想像以上に素敵な未来へとつながっていく気がする。


 本当に、不思議だね。


 だから僕は、彼女に一生ついていくと決めたんだ。



 僕の未来は、彼女によって彩りを増していくんだ。







− 2nd Story 君を試す −

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