ハッピー☆ラッキー



「先輩!ナナ先輩!!!!また、幸坂くんのこと考えてるんですか?」


目の前にはニヤリと笑う亜子と千尋。


はっ!


いけないいけない!


すっかり自分の世界に入り込んでいた。


「ち、違うって!戦略方法をシミュレーションしていたのよ」


ごまかしてはみたものの……


「へー、にやけてましたけど?」


次第に黒さを増す笑み。


あれ以来、亜子と千尋には弄られっぱなしだ……。


「向こうに着くまでには試合モードに切り替える。3人で出られる最後の試合だからね」


そう、


明日からは戦いの幕開け。


気を引き締めないとね。


「きゃー!久しぶりに見た、本気モードのナナ先輩」


「本当にカッコいい!やっぱこうでなきゃ、ナナ先輩は」


あのね、


女の子にキャーキャー言われても、嬉しくも何ともないんですが……。



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