罰ゲームでヤンキー君に告白されました。




「龍也君と一緒にいたの、楽しかったから」


ガタン、と彼にぶつかった机が音を立てる。


「俺だって、楽しかったよ! ひなと弁当とか食べて。
楽しくないわけねーだろ!」    


まだちょっと疑ってしまう気持ちもある。


どこまでが、本当の龍也君なのかなって。


だけど、もう罰ゲームは終わったんだよね。
だったら。


楽しかったって言ってくれた言葉は、本心だと思っていいのかな。


「へへ、そっかぁ」


油断していたから、途端にまぶたが熱くなる。


やめてよ。
そんなこと、言わないで。


――泣きそうになっちゃうから。



これ以上二人でいるのが辛くて、会話を切り上げようとする。



「じゃあ、私帰るね」



そう言って、彼に背中を向けた時だった。




突然後ろから、ぎゅっと抱き寄せられる。


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