罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
その言葉に、頭が真っ白になる。
私? なんで?
「試験だったんだろ、今日。だから」
「え、でも、私が試験受けてたのは午前中で、しかも旧校舎でだけど」
ここにいたんじゃ、普通だと会えなかったと思うんだけど……。
それを聞いた途端、彼は髪の毛をぐしゃぐしゃと乱暴にかきあげた。
「は!? まじで!?
ちっくしょー、全然違うじゃねーか!
透のやつ、適当なことばっかり言いやがって!」
どうやらあのにやにや怪しい顔で笑う透という人に騙されたらしい。
確かにいかにも笑顔で適当なことを言いそうだ。
悔しがっていた龍也君は、思い直したように顔を上げる。
「じゃあお前、どうしてこんな所にいんの?」
「え!? それは、えっと……」
さすがに用事があって、って言い訳も出来そうにない。
「廊下に龍也君がいるの見えたから、なんとなく」
「……そ、か」
それを聞いた龍也君は、心なしかちょっと嬉しそうだった。
「お前、普通に笑うんだな」
「え?」
「俺、すげーひどいことしたから多分一生許してもらえねーけど」
「そんな、怒ってないよ別に」
「怒れよ!」
そう言ったあと、目を伏せる。
「俺が言えることじゃねーな。
でもひなはすごいよ。
俺みたいに弱くないし、ちゃんと自分の気持ち伝えられて。本当にすごいと思った」