罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


本当だ。
前よりずっと上手になってる。


女の子は何度も足を蹴りあげて、一生懸命練習している。
ほんとにあとすこしだけ、足があがれば逆上がりが成功しそうだ。


「あっ!」


そして何度目かの挑戦を重ねて。


彼女はくるん、と上手にまわることが出来た。


「やったーーーー! ねぇ、今出来たよねぇ?」

「出来た出来た!」



隣にいた女の子と手を取り合って喜んでいる。


「出来たー、やったー! やったやったー!」


私も思わず拍手してしまいそうになる。


す、すごい。
成長の瞬間を見てしまった。


何回か見ただけだけど、ちょっと感動したかも。


何度も抱き合ってはしゃぎながら、友達がその子の名前を呼んだ。


「やったねひなちゃん、上手に出来たね! おめでとう!」


そう呼ばれているのを聞いてはっとする。
あの子、ひなちゃんていう名前なんだ。


彼女達は仲良く手を繋いで、きゃあきゃあ騒ぎながら公園の外に走っていった。


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