罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


「Fクラスだけど、別に全員アホってわけじゃねーぜ。
俺は素行に問題があってぶちこまれただけだし。主に服装と髪型」


「そうですよね、進学校だしそもそも成績がよくないとうちの学校受かんないですよね」


にしても三位!? 頭がよすぎて別の次元の人に見える。


そう考えてから、ふと思った。
そもそも龍也君と私なんて、全然接点がなくて。


同じ学校ですれ違っても、絶対話さないし、怖くてきっとかかわらないほうがいい人だろうって思ってたけど。
今は私の部屋にいて、私の話を聞いてくれてる。



何も言わないで見つめているのを不思議に思ったのか、照れくさそうに頬をかく。


「何だよ」

「……ううん。今日はありがとう。ちょっと頭よくなった気分」

「それは気のせいだ。俺、そろそろ帰る」

「あ、はい、送ります!」



家を出て、玄関の前まで龍也君を見送る。


「ここでいい」

「はい」

「じゃあ、また明日な」

「うんっ!」


笑って頷くと。
背の高い彼の影が、目の前に落ちた。


「ひな」

「は、はい」


大きな手が、私の頬に触れる。
優しい触れ方がちょっとくすぐったくて、思わず肩をすくめる。


そして唐突に、彼の唇が。
ちゅっ、と頬に当たる。


……………………え?

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