罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
それはずっと聞きたかったことだった。
他にもたくさん女の子がいる中で、どうして私を選んだのか。
驚いていたけれど、彼は真剣な表情で答える。
「理由とかはなかったけど」
「相手決めようと思った日、学校でお前が歩いてるのを見て」
「うん」
「有華に全然、似てなかったから」
「……うん」
「違う世界の人間に見えたし、傷ついてもかまわないと思った」
「……そっか」
そうか、やっぱり。
龍也君が私を選んだのに、特別な理由は何もなかったんだ。
私はバカだから、都合のいい理由をいまだに探そうとしてしまう。
そんなもの、どこにもあるはずないのに。
龍也君が好きなのは、ずっと星乃先輩だけ。
龍也君は私のことをなんとも思っていなかったってこと。
龍也君は、星乃先輩のことしか見えてなくて。
頭で理解していたはずのことを、言葉にされるたびに打ちのめされるみたいだった。
はらはらと、白い雪が降り続いている。
「龍也君」
喋るのをやめた彼が、目を細めて立ち上がった私を見上げる。
「好きです」