罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「ごめん、ちょっと忘れ物したから。やっぱり私歩いて帰る! ごめんねえみ!」
「ちょっとハル!?」
自分でも何をしているのかよく分からなかった。
気がつくと、三階に向かって階段を駆け上がっていた。
あれ、龍也君かな。
なんで? 補習とか?
でも、いつもさぼってる龍也君がそういうのに参加するとも思えないし。
必死に走りながら、戸惑っていた。
今更会ってどうするつもりなんだろう。
そもそも見間違いかもしれないし。
あれからずっと、会っていないのはもちろんメールすらしてないし。
冬休みで、今日学校にいるのは試験を受けた人だけだ。
その人達ももうみんな帰ってしまって、人の気配はほとんどない。
龍也君は試験を受けてなかった。
だからやっぱり見間違えだろう。
誰もいない教室。
いるはずない。
誰もいるはずない、のに。
鍵はかかっていなかった。
ゆっくりと、扉を開く。
電気のついていない、薄暗い教室。
どうしてだろう。
はらはらと白い雪が降る窓を背景に。
龍也君は、教室の真ん中に一人で立っていた。