罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


――首には、紺色のマフラー。



「……龍也君っ!」


彼のきれいな瞳が、こちらに向いた。


「あ、えっと、大神く……」


あんまり馴れ馴れしくしないように、訂正しようと口をつぐむと。


「いや、名前で呼べって」


大きな手が伸びてきて、私の頭をぐりぐりと乱暴に撫でた。


「で、でも」

「……頼むから」


そう言った彼の表情は、本当にすごくさみしそうで。
置いていかないでって言われたみたいで、胸がきゅうっと切なくなった。

すぐ側で、龍也君が私のことを見つめている。

それだけで頬が熱くなっていく。


夢みたい。
こんな風に、また話すことが出来るなんて。


それにマフラー、使ってくれてるんだ。
すぐに捨てないで、使ってくれてるんだ。


それだけでなんだかもう、胸がいっぱいになってしまった。


「何やってるの? 寒いよ。暖房も、ついてないし。誰もいないし」

「大丈夫、これがあるから」


そういって、マフラーを指で軽くつまむ。
笑った顔はやっぱり少し幼くて、かわいいなって思った。



「ひなが来るかと思って」

「え?」


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