運び屋の受難


カチャン

「え?」

両手首に冷たいものが当たる。
手を動かそうとしてもガチャガチャと金属音がするだけで、動かせない。
頭に浮かんだのは手錠という名詞。

……トオルさんは変わりなくにこやかだ。

「あ、これも忘れちゃだめだよね」

「いや、え?」

目元が布で覆われ、視界を奪われる。トオルさんの姿はもう見えない。

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