運び屋の受難
「いっつ…」
頭がズキズキする。
縛られているのか、体を動かせない。
コンクリートの上に寝かされているようだ。
「生きてたんだ。よかったよかった」
蹴られて体勢を変えられた。
腹這いから仰向けになる。視界が一気に広がった。
ここがどこかは知らないけど、大きな倉庫のようだ。
たくさんの積荷が置かれている。
そしてこの倉庫にいる人間は二人。私とーー昨日の男、死神。
死神は今日もまた、楽しそうな笑みを浮かべている。
昨日と違うのは、黒いスーツに血がついていないことと、持っている凶器が果物ナイフではなく金属バットということ。
昨日はわからなかったこともわかった。
死神の顔は整っているということ。こういう人を眉目秀麗と呼ぶのだろう。