運び屋の受難



「いっつ…」

頭がズキズキする。
縛られているのか、体を動かせない。
コンクリートの上に寝かされているようだ。

「生きてたんだ。よかったよかった」

蹴られて体勢を変えられた。
腹這いから仰向けになる。視界が一気に広がった。


ここがどこかは知らないけど、大きな倉庫のようだ。
たくさんの積荷が置かれている。

そしてこの倉庫にいる人間は二人。私とーー昨日の男、死神。


死神は今日もまた、楽しそうな笑みを浮かべている。

昨日と違うのは、黒いスーツに血がついていないことと、持っている凶器が果物ナイフではなく金属バットということ。

昨日はわからなかったこともわかった。
死神の顔は整っているということ。こういう人を眉目秀麗と呼ぶのだろう。

< 30 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop