もしも私がーcasket in cremtion。
(何あれ?)
「あれは。」
幟呉がそれに気づいて険しい顔をした。
(あれって、鷹?)
鷹は優雅に飛んでくると幟呉の腕にとまり、足に括り付けられた紐を自分で解くと、そのまま飛び去っていってしまった。
(何?何だったの?)
よく見ると紐の先端に手紙がついていた。手紙の端に穴が開いていてそこを紐で結んである。
「指令?」
「何て書いてあるんだ?」
靭と永璃が幟呉の所へ向った。
私の目がキラリと光る。
(今のうちに隙アリで攻撃を仕掛けよう!先手必勝!それしかない!悪く思うなよ!)
私は拳を強く握って、立とうとした。
「ちょっと待て。」
幟呉が冷静に私に手を向けながら制止した。
「え?」
「嬢ちゃん、戦う必要なくなったみたいだぜ。」
「は?……え?」
「俺達は任務を解かれた。」
無表情に言う幟呉だけど、私は今一分かってなかった。
「え?解かれたって??」
「だあかあら、僕達は圭子ちゃんを追う必要も、殺す必要も無くなったって事!」
靭が面倒くさそうに説明してくれたおかげで、私はようやく理解出来た。
「あ、そうか。良かった……。」
ほっとして、座り込む。
「でも何で鷹なの?携帯とか、文明の利器じゃないの?」
「携帯だと調べようと思えば、調べられるからな。伝令はいつも鷹か鷲だ。」
「誰が調べんの?」
幟呉とこんな会話をしてる最中永璃と靭が居なくなっている事に私はまだ気づかなかった。