もしも私がーcasket in cremtion。
「私がっ、私が、あの二人を……ムグっ!」

そこで突然口が塞がれた。

「嬢ちゃ、いや、圭子は、今ちょっと混乱してるみたいで。」

永璃だ。その横には幟呉と靭もいた。

「突然すみません。我々は圭子さんの護衛を――」

「ああ!友達!友達です。圭子ちゃんの。」

慌てて靭が幟呉の言葉を遮ると、まだ口を塞いでいる永璃が耳元で

「この姉ちゃんを巻き込むつもりか?」

少し剣のある声で言って、手を離した。

(そうだ。私が本当のことを言って、それが敵にばれたら福崗さんが大変な目にあうんだ。)

「……ごめん。」

呟くと、永璃は片眉を上げて微笑んだ。

「え?何か言った?」

「ううん!何でもないの福崗さん!」

「そう? でもえらく美形な方々と友達になったのねぇ、羨ましいわ!」

「え?そう?お世辞は程々の方が良いですよ。付け上がるから。」

私があっさり言うと、幟呉は眉をピクリと動かしムスッした表情になった、かと思うと、靭と永璃が

「圭子ちゃん、ちょっと酷くない?」

「嬢ちゃん、もう少し言い方をさぁ」

「え?……ごめん?」

(本当のことを言ったんだけど、どこがいけなかったんだろ?)

「ふふふっ、圭子ちゃん、美的センスずれてるって言われたこと無い?」

「そんなこと無いですよ」

ぎくりとして目線を横に向ける。

「嘘!あるんでしょ?」

指さしながら顔を近づけて問い詰められた。
こうなったらもう仕方ない、嘘はつけない。

「うっ! すいません。あります」

「やっぱりね!……そういえば、施設に行ってるんですって?」

 行ってないけど、何かそういうことになってるんだよね。
 嘘をつくのは心苦しいけど、しょうがない。

「はい。まあ、でもこうして友人も出来ましたし――」

「あの、宜しいですか。その事は誰から?」

言いかけで幟呉に遮られた。その声は妙に、慌ていたように聞こえて、永璃と靭の顔を見ると、二人は真剣な顔をしていた。

「警察の友達から聞いたのよ。それが何か?」

「いえ。」

幟呉が呟くと、私の隣にいた永璃が小声で

「早く出るぞ。」

「え?」

訳を聞こうとした時、福崗さんが「そういえば」と声を上げて、意外な人の名を口にした。

「圭子ちゃん知ってる?〝エリス〟いたじゃない?」

「え、はい。」

「半年前……遺体が盗まれたそうなのよ。」

「何だって!?」

私が驚く前に三人が一斉に驚いた。
その事に私と福崗さんは驚いて「え?」と声が合わさった。
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