もしも私がーcasket in cremtion。
「上がるぞ。」
「は!?ちょっ、上がるってココから?」
「他にどこがある?」
「いや、だって、高さ三、四メートルはあるよ?」
穴の中には、梯子もなにもない。
「大丈ぶ大丈夫!」
靭はお気楽に言うと、ピースサインを出し、永璃が靭を肩車した。
ガッガガガ――ズ―― という低音と共にフタが開いた。
「誰もいないよ。」
辺りを確認した靭は、永璃を足場に外へ出た。
すると幟呉はジャンプ一つでスンナリと出て行った。
「次は嬢ちゃんな。」
「え?」
呟いた瞬間、私は永璃に持ち上げられていた。そのまま地上近くまで持ち上げられると、靭と幟呉の手をかりて地上へと出た。が、そこは――
「どこ!?」
「科電製薬の中だ。」
幟呉が愛想なく答えた。
そこは薄暗く、廊下のちょうど真ん中らしく、左右を見ても廊下が五メートルほど続いていた。
外から見た時、建物の中にもポツポツと灯りがついていたから、こんなに気味の悪い所とは思わなかった。
「譲ちゃん、どうした?」
私が不安になっていると、穴から出てきた永璃が気を使って聞いてくれた。
私は心配させるまいと、なるべく明るく答えた。
「うん、何でもない」
永璃もジャンプ一つで穴から出たみたいだ。
靱が手を貸してはいたけど。
そういえば、深く考えたことなかったけど、こいつらの身体能力って変じゃない?
私は変身した時だけ、高く跳べたりするけど、こいつらは何もなしに三階建ての屋上に跳べたりするんだよね……。
「行くぞ。」
幟呉に呼びかけられて、私は気の無い返事を返した。
「あ、うん。」
そのまま廊下を真っ直ぐ歩いて右に曲がる。
その姿を約三センチの小型カメラが見ていた。
そして、そのカメラの映像を見ている者がいた事に、もちろん私達が気づくはずはなかった。