もしも私がーcasket in cremtion。
「ねえ、永璃。さっき靭と話してた血点殊って何?」
廊下を歩きながら、私は永璃を見上げて尋ねた。
「ん~……何つーか、簡単に言えば、人体には弱点みたいなのがあってな。そこのツボみたいなのを押すと、手が動かなくなったりとか、色々人体に影響あたえんだ。」
永璃は少し言いずらそうに、言葉を選ぶようにして答えてくれた。
「そうなんだ」
(針治療とかの一種なのかな? 合気道でも相手を動けなくさせるとか聞いたことあるし……)
私はそう思って納得していた。
だからか、靭とエリックが複雑そうな顔で永璃を見ていたことに気づかなかった。
「さぁ、皆、ここからは翔の領域だからね。気合を入れて行こう!」
エリックが気持ちを切り替えるように明るく声を上げると
BOM!
私の変身が解けてしまった。
すると後ろから
ドンドン!
と音がし、振り向くと同時に、床に銃弾が打ち込まれた。
食い入るように床を見つめ、はっとするように顔を上げた。
銃を持った男が一人、そこにまた一人と、あっという間に数え切れないほどワラワラと集まって、私達に向かって走ってきていた。
「逃げるよ!圭子ちゃん!」
靭の声を合図に私達は一斉に走り出した。
「何で銃刀法があるのにこんなに持ってる人がいるのぉっ!?」
私の悲鳴は追っ手の足音で掻き消された。