もしも私がーcasket in cremtion。

「よく知ってるね、翔。」

 緊張しているのか、エリックの声が少しだけ震えて、顔が強張っていた。

「僕が気づかない訳ないだろ?お前にはまだやってもらいたい事があってね。だからお前はまだ殺さないでおいてやるよ。」

「……まさか、姉さんを蘇生させる気だとは思わなかった。」

「お前は僕が蘇生術を開発していることすら、ここ最近まで知らなかっただろう?」

 見下すように、冷淡に葵が言うと、私をチラッと見て残念そうに

「お前が心呪縛解いちゃったおかげで、僕は暇でしょうがなかったんだぞ。せっかくの玩具だったのに。」

「それは残念だったな。」

「ご愁傷様。」

 突如声がして、振り向くと三人が立っていた。

「永璃、幟呉、靭!」

「何だ。またもやお邪魔虫の登場か」

 呟くように言って、背を向けて葵は歩き出した。
 エリスのいるカプセルの少し離れた所にある、小さな機械の側まで行くと

「でも!」

 叫んで、機械にある赤いボタンを押そうとした、その時

「いけない!」

 エリックが大声で叫び、靭が持っていた銃を奪い取ると、振り向いた途端、銃は突然発砲された。低い音が鳴り響く。
 エリックは自分のした事に驚愕し、思わず「あっ」と一言だけ言葉がこぼれる。
 どうやら、銃が暴発したみたいだ。

 私達は絶句し、エリックに目を奪われていた。
 その隙に葵はボタンを押し、素早くエリスの側に駆け寄った。

 すると、ビシビシという音がして、液体が流れ出した。
 中に入っていたエリスも勢いよく一緒に外へ流れ出てきた。

「エリス!」

 葵は心配そうに声を荒げ、エリスの肩を抱く。
 どうやら、暴発されたエリックの弾は、エリスのカプセルに当たっていたみたい。

 すると今度は ヴンヴン と音をたてて、エリスが入っていたカプセルを中心に、エリスと葵の周りを半透明なモノが包んで行った。
 まるで硬いシャボン玉みたいだ。

「シールド……」

 悔しそうにエリックが呟く。
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