ミャウミャウにキスを。
電話がつながらない…。
私の体や荷物、どこに行っちゃったんだろう。

「あれ?凛の電話、つながらない。何かあったのかな。」

正史、私…。
猫になっちゃった。
ミャウ〜って鳴いた。

「凛、怒らせちゃったかな…まずいな。」

その時、電話が鳴った。

「はい、僕です。吉川のおばさん‼」

お母さんだわ‼

「あ、いつも、お世話になってます。
凛ですか?ここに来てませんですけど、いや、さっき、来てたらしいんですが、僕と行き違って。は?帰ってない。もう12時過ぎてますよね。
一体、どこに…はい、ここに来たら、連絡します。」

正史は電話を置くと、少し、心配そうになった。

正史、ミャウって、私は鳴いた。

家でも私の事、心配してる。
どうしよう、私。

正史は、紙袋を開けて、深いグリーンのセーターを広げた。

「凛、俺の好きな色の…。」

正史、そうよ。
一生懸命、編んだの。
ミャウ、ミャウって、
私の鳴き声が響いた。
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